「産婦人科医による出生前診断NIPT解説講座」

妊娠出産
6月11日(水)12:00〜12:45受講

出生前診断とは、
胎児に何らかの先天的な知的・身体的な病気があるか否かを調べる検査。

出生前診断では分からない病気は沢山あり、主に染色体異常のみが検査対象となる。

出生前診断は、
非確定的検査と確定的検査の2つがある。

確定的検査は流産などのリスクがあるので、まずは非確定的検査を実施するのが一般的。

非確定的検査
・NIPT(新型出生前診断)
・母体血清マーカー検査
・コンバインド検査
確定的検査
・絨毛(じゅうもう)検査
・羊水検査

非確定的検査の中では、
NIPTが精度が高い。

何らかの生まれつきの病気をもっている赤ちゃんは、全体の3〜5%といわれており、出生前診断でわかる「染色体異常」は、その3〜5%のうちの4分の1しか分からない。

→てか、出生前診断やっても、4分の3は分からないなら、出生前診断やっても意味ないな思うた、結論としては。

染色体は、XXが女性、XYが男性。

生まれうる染色体異常は、13、18、21番のトリソミーである。13、18、21番以外が異常だと、産まれて来れずに流産などになるらしい。

トリソミーとは、2本で1セットのはずの常染色体が3本になっていること。

妊娠時の母体の年齢が上がるにつれて、染色体異常の発生率も上がる傾向にある。高年妊娠だと、卵子の劣化により、染色体が不均等に分離しやすい。

NIPTの基礎知識
NIPTは早い週数で実施可能かつ精度が高い。妊婦の血液から、胎児が染色体異常をもつか調べる検査。血液検査のため母体へのリスクがない。高確率で染色体異常を調べられる。実施時期:妊娠9週以降(妊娠10〜13週頃)。
日本のNIPTでの検査対象:21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーのみ(認定施設の場合)

NIPTは、あくまで非確定的検査。NIPTは胎児に染色体異常がないことを高精度に評価するものであって、異常(陽性になった場合)が認められた場合は確定的検査(羊水検査)をする必要がある。また、NIPTは、検査実施週数が早すぎたり、母体が肥満だったりすると、判定保留になることがある。

羊水検査は、流産(〜0.5%)や子宮内感染(極めて稀)、没発生腹膜炎(極めて稀)などのリスクがある。羊水検査は、妊娠15〜17週頃に行う。NIPTの結果が出るまでは1〜2周間ほど。羊水検査の結果が出るまでは2〜3週間ほど。

先天的な病気がある赤ちゃんは全体の3〜5%。その中で染色体異常は4分の1。NIPTで調べられる13、18、21トリソミーは、染色体異常全体の70%を占める。つまり、NIPTで調べられるのは、病気のある赤ちゃんの2割程度に過ぎない。

21トリソミー:ダウン症候群
21番染色体に原因がある先天性疾患。
全出生の中で約1000人に1人の割合で発症。
染色体異常による先天性疾患の中で最も多い。
出生前診断をやらずとも、胎児エコーで見つかる場合がある。首の後ろのむくみ、発育不良などで。
精神発達遅延、特徴的な顔貌、心奇形、消化管閉塞、白血病など、症状は人それぞれ。
平均寿命は60歳前後、症状の程度により社会的に自立できる場合もある。

18トリソミー:エドワーズ症候群
18番染色体に原因がある先天性疾患。
全出生の中で約3500〜8500人に1人の割合で発症。
成長障害や心疾患、臓器の異常、手足の変形など。

13トリソミー:パトー症候群
・13番染色体に原因がある先天性疾患
・全出生の中で約5000〜10000人に1人の割合で発症。
・口唇裂や口蓋裂など顔面の異常、小眼球症、網膜異形成など。

NIPTは西暦2022年以降はは誰でも受けられるようになったが、それまでは35歳上の高年妊娠の人だけしか受けられなかった。

出生前診断とは、あくまで希望する妊婦さんだけが受ける検査であり、全妊婦さんに対して一律に行うものではあってはならない。

NIPTは認可施設で受けるのが基本。
認可外施設は予約も取りやすく、施設数も多くて便利ではあるが、以下のような問題点がある。
検査、管理体制の不備(遺伝診療の知識・経験が乏しい医師が担当)。
結果が陽性だった場合の対応が不明。
十分な遺伝カウンセリングが受けられるか不明。
21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー以外の検査ができることもあるが、検査制度が十分とは言い難く、病気の判断ができない可能性もあり、検査費用が高額な場合もある。

NIPTを受ける人の理由は高齢によるものが8〜9割を占める。

検査で異常なしでも先天性異常を持って生まれてくる可能性はゼロではない。





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