6月15日(日)20:00〜21:00受講。
①頭のかたちは、なぜ歪んでしまうのか?
赤ちゃんの頭はやわらかい状態。
脳が大きく成長できるように
生後8ヶ月頃までは頭蓋骨がやわらかく、
ゆがみやすい状態になっている。
赤ちゃんの頭が歪む原因は?
大きく2つ
①病気
頭蓋骨縫合早期癒合症→
頭蓋骨の縫合線が本来よりも早く閉じてしまう病気。
水頭症→
脳室に過剰な脳脊髄液が溜まってしまう病気。
共に手術が必要。
②外部要因
位置的頭蓋変形症→
妊娠中:子宮内が狭かった
分娩時:吸引分娩、鉗子分娩
出産後:向きぐせ、寝ぐせなど(+硬いマットレス)
ゆがみの程度によって治療の必要性は異なる。
頭のゆがみにも種類がある。
3つの種類。
①斜頭症(しゃとうしょう)
寝ぐせ(向きぐせ)や出産時の環境が原因である場合が多い。
②短頭症(たんとうしょう)
いわゆる絶壁。仰向けに寝かせることが原因である場合が多い。
③長頭症(ちょうとうしょう)
横向きで寝かせることが原因である場合が多い(早産児に多い)。
長頭症の場合、病気が隠れている可能性も。
赤ちゃんの頭のゆがみは自然に治る?
・ゆがみが軽度の場合→
赤ちゃんの成長や発達により、ゆがみが目立たなくなる。
・ゆがみが重度の場合→
自然に治ることなく、ゆがみが残ったまま成長し、
頭の形の左右差が残り、日常生活に支障が出ることも。
重症度の判断→
視診、触診による評価。
頭部の計測。
3Dスキャンによる計測など。
複数の方法を組み合わせて重症度を判断。
ゆがみが軽度と診断された場合の対応。
これ以上、ゆがみが悪化しないように、家庭で実践できる対策を行う。
対策①タミータイムをつくる
タミータイムとは、
頭を一定の方向で寝かせ続けないために、
お母さんお父さんに見守られながら、
おなかの上や床の上で、うつ伏せになること。
いつから?どのくらいの時期?
1ヶ月健診を終えた頃を目安に。
最初は5〜10分から始め、
慣れてきたら1日20分を目安に。
対策②こまめに體位変換を行う。
・授乳をするときの姿勢
・抱っこをする時の姿勢など
・寝る姿勢
→赤ちゃんは胎内にいたときの向きぐせがある。
→同一方向の圧力がかかってしまわないように、バランスを意識して向きを変える。
対策③體の下にタオルを入れて向きぐせを修正する
①4つ折りにしたバスタオルを、さらにぐるぐる巻きにする。
②向かせたい方向と反対の背中側の首から
お尻にぐるぐる巻きにしたバスタオルを沿わせ、體の下に挟みこむ。
③向かせたい方向と反対側の背中が3分の2くらい浮く状態に整える。
※2時間を目安に姿勢を変える(嫌がる場合は短い時間から始めても)。
ただし、夜間など、お母さんお父さんの目が離れるタイミングは避ける。
赤ちゃんの頭をマッサージして変形させるのは、難しいので、止めたほうがいい。
ゆがみが重度の場合に与える影響は?
ゆがみが重度と診断された場合でも、
成長にさほど影響は無いが、
健康上の影響や見た目の悩みなどはある。
・発達上の影響→
海外の研究で運動発達、精神発達の遅れを指摘する報告があったが、最近では発達がゆっくりな場合に変形が起きやすいといわれ、健診の際の重要なチェック項目の一つとなってきている。
・健康上の影響(主に形の左右差によるもの)→
目の位置のズレ=斜視や視覚障がいのリスク
不正咬合(嚙み合わせ)を生じるリスク
耳の位置のズレ=メガネがズレるなど
・見た目(極度の平坦部分の存在、頭だけでなく顔の左右差)→
悩みの原因になることも。
重度の頭のゆがみを治す方法は?
ヘルメット治療という選択肢がある。
首がすわった頃(生後2~3か月)〜生後7ヶ月までの治療がべスト。
ヘルメット治療のクリニックの選び方。
・病的変形ではないかどうか、しっかりと鑑別できる病院か。
・客観的なデータで治療の有無を判断できるか。
・お子さんの発達や治療の効果などを医師が確認し定期検診を実施してるか。
・赤ちゃんの頭の成長を妨げない、
頭のかたちは、どこで相談できる?
0歳からの頭のかたちクリニック
講座受講者限定55000円オフ。
・ドーナツ型の枕は頭のゆがみに有効か?
→あまり強くはオススメしない。O型よりU字型のほうがよいかと。
・反対方向への寝返りは、どのように促せばよいか?(5ヶ月のお母さんからの質問)
→タミータイムでうつ伏せ遊びをさせる。寝返りをやれやれって言っても出来ないので。
・生後8ヶ月からの受診や治療は遅いか?
→ダメではないが、ちょっと遅い。
ヘルメットは1日23時間の装着を推奨。
お風呂の時間だけ外す。最初は短い時間から慣らす。
ヘルメット治療終了までには、5ヶ月〜6ヶ月くらいかかる。
ヘルメット治療は、生後が早い段階だと、赤ちゃんも嫌がらない事が多い。
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